日々のこと、
人との出会いの中で、実感をする。
美味しいなあ、
好きだなあ、
楽しいなあ、
すごいなあ、
ありがたいなあ、
困ったなあ、
寂しいなあ、
花をいけながら、
愛おしいなあ、
という実感に、
花が応えてくれたとき、
花も私を好きなんだなあ‥と実感する。
そんなとき、
周囲に伝わる。
生けているそばで泣いているかた、
わあ~っと喜んでくれる方、
さまざまな表情に出会う。
花はそこにあるだけで美しい。
生けるということは、
表情、趣、特徴、などありのままの姿形を観察してよく知り、見極めて、
生かす技術を磨き、
生かす道具を使い、
花で表現し、
人の手によって、命を吹き込むこと。
そのとき、切り花は生まれ変わって、
新しい命を生きていく。
そして、最後まで愛でられ、朽ちていく。
生かされあうときも、
相殺してしまうときも、
花は、黙って
一緒に時を生きてくれる。
それが、潔い切り花特有の愛だと、
いつも実感する。
花のように生きていく。といつも書く。
花に助けられながら、仕事をさせていただいて、朽ちていった花にはお返しができない、
私の恩送りかもしれない。

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